スウェーデンより~その23~(現地在住の元社員青木さん)

 日本は場所によっては大雨続きで災害が発生しているとニュースで見て心を痛めていますが、ストックホルムは8月に入って一気に夜の気温が下がり始めました。一桁目前、今朝の気温は10度でした。日中は20度くらいまで上がりますが空気が冷たいです。オリンピック期間中酷暑で話題になっていた、テニスやマラソンなどはここでやればちょうどいい気候です。競技でわけて世界同時開催を今後はしてもいいのではないかと名案を思いつきました。

 子供たちはまだあと三週間夏休みが残っていますが私は7月終わりから仕事に戻ってつかの間の独身生活を満喫しています。冷蔵庫の中身はお酒とキムチと豆腐です。

 先月、スウェーデン西海岸のノルウェー国境近くのターヌムという町に青銅器時代(北欧の青銅器時代は紀元前1800年から600年ごろ)の岩絵を見に行きました。ユーラシア勤務時代、「スピッツベルゲンとノールカップ」ツアーに添乗した際、ノルウェーのアルタで見て以来何度か訪れています。シャーロック・ホームズの短編の「踊る人形」の人形を彷彿とさせますが、暗号ではなく当時の狩りや戦いの様子が岩に彫られています。今は牧草地と林の中に点在していますが、当時は海岸線だったそうです。現在の海岸からは直線距離でも5キロほど離れています。雨ざらしなので劣化がすすんでいて、見づらいことから赤い塗料で塗られていますが、周りを歩いているとほとんど消えかかった岩絵も発見できます。どうみても犬なのが説明では鹿だったり、コロナウィルスにそっくりな太陽があったり、男性はしっぽがあるように見えたり(股間を強調?)私は当時の生活風景を目に浮かべながらゆっくりしたかったですが、子供たちはいちいち大騒ぎでした。

 ボーヒュース地方と呼ばれるヨーテボリとオスロの間の西海岸は日本のリアス式海岸のような入り組んだ海岸線とそこにへばりつくように建てられた赤い家が並ぶ小さな町が続く風光明媚なところで、ロブスターや小エビの産地です。どこもゆでたものしか売られておらず、値段も高めですが、夏だけの営業だし景色も良いしね、とせっかく来たからにはとシーフードを堪能するスウェーデン人でにぎわっていました。我が家はカニカマとカニの違いの分からない夫にエビが怖い娘とエビフライが食べたい息子しかいなかったのでインドカレーの夕食でした。これはこれで地方価格で安かった上、とても美味しかったです。

世界の仲間と私たち~新しい日常と旅への想い~

厳しい中でも前を向いて歩きましょう・・・。ささやかな日常を共有しながら、きたる夜明けを待ちましょう。そう、明けない夜はありません!

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