南イタリアより(現地在住の日本人スタッフより)

こちらでは移動制限が発令されてから長い時間が過ぎました。私の住むアルベロベッロでも、春らしい陽気をよそに、みんなずっと自宅に籠っています。外出は必要最低限の理由を除いて禁止され、人が集まる会社に行くことも制限されたため、仕事は自宅からのテレワークです。

食料品の買い出しや散歩(家から200m以内のみで可能)で外出する際は、行き先や自分が新型コロナウィルスに感染していないことを書いた自己申告書の携行が義務付けられ、違反をすると罰金の対象になります。

スーパーでは一度に入れる人数が決められていて、お店の前には1mの間隔を保って待つ人の長い列。商品は豊富に揃っているので買い物に困ることはありませんが、唯一不足気味なのが小麦粉とパンやピザを作るときに使うイーストと聞きました。

レストランやバールは全て営業停止で外食ができず、家での空いた時間も増えたため、パンやピザを家庭で作ることが多くなったのかもしれません。私もご多分に漏れず、普段からやってみたかったピザ作りに何度か挑戦しました。(結果は、結構美味しくできて、イタリア人の夫からも合格点をもらいました!)

銀行など生活に必要な機関は営業していますが、最低限の用事を済ますのみで、書類1つの受け渡しにも細心の注意を払います。

先日私が行った際には、まず、ここでも中に入れる人数が制限されているため、外で順番を待ちます。やっと中に入ると、窓口から1m以上離れた所から要件を伝え、担当者が用意した書類を窓口のデスクに置いて1mぐらい離れてから、こちらがそこに近寄ってサインし受け取る、という塩梅でした。その担当者とは以前からの知り合いでしたので、簡単な世間話もしましたが、少し離れた状態での会話は弾むはずもありません。

イタリア人は、誰とでもすぐに友達のようになり、気さくにたわいない会話を楽しみます。そんな社交的でお喋り大好きなイタリア人が、人から距離をとり、日常茶飯事であったハグやキスもしなくなりました。

この難局をなんとか乗り越えようと、みんな頑張っています。一人一人のこうした行いが報われ、一日も早く普通の生活が送れるよう願うばかりです。

世界の仲間と私たち~新しい日常と旅への想い~

厳しい中でも前を向いて歩きましょう・・・。ささやかな日常を共有しながら、きたる夜明けを待ちましょう。そう、明けない夜はありません!

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